アレルギー外来

スギ花粉症やダニによるアレルギー性鼻炎は、症状を抑える治療だけでなく、アレルゲン免疫療法も行われています。アレルゲン免疫療法自体は100年以上前から行われてきた歴史のある治療法で、これまではアレルゲンを含む薬剤を皮下注射する皮下免疫療法が主に行われてきました。近年になって、スギ花粉とダニに関しては、治療薬を舌の下に投与する舌下免疫療法が可能になっています。

注射による皮下免疫療法は通院頻度が高く、痛みをともなうことが大きなデメリットになっていましたが、舌下免疫療法では初回以外の投与をご自宅で行えるため、患者様のご負担が大幅に減少しています。また、ごく微量ですがアレルゲンを摂取するため深刻なアレルギー反応を起こす可能性がありますが、注射療法に比べて舌下免疫療法ではそうした危険性も少ないとされています。

舌下免疫療法は、スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎であると確定診断された場合に可能になります。当院では血液検査を行って確定診断した上で行っています。
舌下免疫療法は8割の方に症状軽減の効果が得られるとされています。一般的な治療では症状がおさまらない方や戸外で行うスポーツのアスリート、集中力低下などで学業やお仕事への影響が懸念される方など、症状でお悩みの幅広い方におすすめできる治療法です。内服する期間は3年以上が推奨されていますが、1年間の内服でもその後1年間症状改善効果を期待できるとされています。

小児が舌下免疫療法を行った場合、スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎の症状緩和だけでなく、他のアレルギーが増えにくくなったり、喘息発作が減ったりする効果も期待できます。
ただし、先ほど8割の方に効果が得られるとした通り、2割の方は効果を得られません。そして、治療をはじめる前に効果を得られるかどうかを判断することができません。こうしたことをあらかじめご理解いただいた上で治療をはじめる必要があります。

舌下免疫療法をご希望される方は、子どもや学生、アスリートが多く、親子で一緒にはじめる方もいらっしゃいます。ご興味がありましたら、お気軽にご質問ください。