喘息とは
喘息には、アレルギーが原因になって発症するタイプと、それ以外の原因で発症するタイプに大きく分けられます。アレルギーが原因になっている場合は、ダニ・ハウスダスト・カビなどがアレルゲンになっているケースが多い傾向があります。アレルギー以外の原因で発症する場合には、風邪やインフルエンザなどの気道感染、タバコの煙、薬剤、ストレスなどの関与が疑われます。
当院の喘息外来では、喘息発作を繰り返す気管支喘息や咳だけを繰り返す咳喘息を含め、3歳の小児から成人までを対象に喘息を幅広く診療しています。当院の院長は呼吸器学会専門医・アレルギー学会専門医として豊富な臨床経験を積んできており、大学病院や基幹病院で専門性が高く高度な治療にも携わってきています。こうした経験を生かして患者様の状態にきめ細かく合わせた診療を行っていますので、お気軽にご相談ください。
こんな症状がありましたら早めにいらしてください
- 「ゼイゼイ・ヒューヒュー」という喘鳴を起こしたことがある
- 風邪が治ってからも咳だけが続く
- 痰の出る回数や量が増えた
- 夜から早朝に、ひどい呼吸困難を感じて目が覚める
- 埃や特定のものを吸い込むと息苦しい
- 天気や季節によって咳が悪化する
- 咳き込んで止まらなくなることがある
気管支喘息について
原因
主な原因は、ハウスダウスト・ダニ・カビなどのアレルギー、呼吸器感染、激しい運動、気温差、ストレスなどがあります。
検査
当院の喘息外来では、呼気一酸化窒素濃度測定器、気道抵抗検査、スパイロメトリによる検査を行って診断しています。息を一定の力で吐き続ける間の呼気に含まれる一酸化窒素の濃度を測定し、アレルギー性気道炎症の程度を判定します。また、喘息では気道が細くなり気道抵抗や気流制限が起こります。これらを気道抵抗測定やスパイロメトリで把握することが可能です。
治療
治療では、長期管理のコントローラーとして吸入ステロイド薬の服用を行い、喘息発作を起こした時にはリリーバーとして気管支拡張薬を服用します。ただし発作が強く、薬の効果を得られない場合はすぐに医療機関を受診してください。
アレルギーが疑われる場合には原因を調べた上でアレルギーの原因を除く環境整備を行う抗原回避も重要です。こまめな掃除と換気、ペットを飼うのは控えるなど、発作を起こさない環境をつくって喘息発作を予防します。
発作が起こらなくなっても、炎症が解消するまではかなり時間がかかりますのでしっかり治療を続けることが重要です。
なお、喘息の治療では吸入薬の正しい使用法をしっかり覚えることが重要です。正しい吸入ができないと薬の効果も十分に得られません。当院では専用の器具を使い、正しい吸入ができるようになるよう丁寧にわかりやすくご指導しています。喘息で治療を受けているのに思うような効果が得られない場合には、お気軽にご相談ください。
咳喘息
喘鳴は起こりませんし、粘り気のある痰が出ることもありませんが、2週間以上咳が続いている状態です。自然に治ることもありますが、気管支喘息に移行する方が約30~40%あるとされているため、早期に適切な治療を受けることが重要です。咳喘息でも肺の機能が低下しますが、しっかり治療を受けることで回復できます。治療の内容は気管支喘息と同様です。
日常的に行える喘息発作の予防
喘息発作は、日常の生活に少し工夫することで発作を起こしにくくできます。
1こまめな掃除
喘息は、ハウスダスト、ダニ、カビ、ペットの毛・フケ・唾液、花粉、虫などのアレルゲンによって起こっている場合があります。その場合には、掃除をこまめに行ってアレルゲンを排除することで喘息発作を起こしにくくできます。換気や空気清浄機の使用も効果的です。
2外出時のマスク
3ストレスを上手に解消
ストレスなど心理的な原因によって喘息発作を起こすこともあります。日頃から休息や睡眠をしっかりとって、趣味に熱中するなどリフレッシュできる時間を積極的につくってストレスを上手に解消しましょう。
4適度に体を動かす
5息苦しくなったら上体を起こす
横になっている時に息苦しさや呼吸しにくい感じがした場合には、上体を起こすと少し楽になります。呼吸しにくさが気になって眠れない場合には、背中にクッションなどをあてがって少し上体を高くすると緩和することがあります。